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水が滲むように文化も伝播してきた

道志村野原地区で今も有志によって受け継がれる小正月のどんどん焼き(「どんど」ではなく「どんどん」焼きという。2014年1月14日撮影)。長い枝の先にお団子を刺し、子どもたちが焼いて食べる。お団子にはあんこが入っていて、食べ応えがある大きさ。(道志手帖3号に詳細記事)
道志村野原地区で今も有志によって受け継がれる小正月のどんどん焼き(「どんど」ではなく「どんどん」焼きという。2014年1月14日撮影)。長い枝の先にお団子を刺し、子どもたちが焼いて食べる。お団子にはあんこが入っていて、食べ応えがある大きさ。(道志手帖3号に詳細記事)

梨木香歩さんのエッセイ『風と双眼鏡、膝掛け毛布』の道志の項目には続きがあって、地名のことだけでなく、「団子さし」のことが載っている。

著者は藤野町(神奈川県相模原市緑区)の風習「団子焼き」について知っていたが、それと同じ光景を、道志の道の駅に貼ってあった団子刺しのポスターで目にし、驚いたという。

 

「道志村の団子さしのポスターは、この藤野町の団子焼きの写真とそっくりだった。

昔から陸の孤島とはいえ、国境を越えた隣の藤野とは、細い山道を伝い、水が滲むように文化も伝播してきたのだと、往時を思った。」(本文より)